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第2章 バイト先で
とは言っても、高校生でバイトが出来るとこは知れててバイト情報誌をずっと眺めていると
「あれ?穂花バイトするんだ?何か欲しいものでもあるの?」
と結花に聞かれてしまった。
そっか、高校生がバイトするって普通そういう感覚だよなぁと思いつつも
「違う違う、ちょっと社会勉強的な意味も込めて・・・かな」と答えた。
「なるほどなー、嘉人と遊ぶにもお金いるし、私もバイト考えようかな」
と結花は言った。
嘉人とは結花の彼氏だ。
二人は幼馴染で中学からずっと付き合ってるし、
親御さんにも公認の中だから、なんだかんだ言ってうまくやっている。
本音をいうと、最初は私も
例の彼、一也くんともし付き合えたら、一緒に出かけたり遊びに行きたかった。
制服デートもしてみたかったし、帰りにマックに寄ってみたり、カラオケにも行きたかった。
でも事情が事情だし、自分が働く羽目になっても文句一つ言わない彼をみて
なんだか自分が恥ずかしくなってしまった。
かと言って、彼の現場の仕事先でバイトするのもどうかと思ったので
自分なりに何かしてみたいと思ったのだ。
情報雑誌には
「バイト早朝勤務、高校生可」
「品出し整理、パートアルバイト、高校生時給・・」
みたいなものがいくつかあった。
私はその中でも土日と、体力に余裕があれば金曜日の夕方に介護施設のアルバイトをしてみることにした。
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