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《side 青》
赤田はだって私恋愛不適合者だもんと、笑顔で焼酎を飲んでいる。
「恋愛不適合者…?」
大学の時、それなりに彼氏が居た赤田から想像が出来なかった。
「うん。だって面倒じゃん。付き合うと」
本気で面倒臭い顔をしている。
「…何か過去にあったのか?」
可愛い顔をしているのに勿体ないと思う。
「いやぁー、なんかさー、付き合うと当たり前の様にさー、連絡はマメに取るもんだって言う風習が嫌だし、連絡返さないと怒ってきたりとかさー。そういうの疲れちゃうんだよね」
普通の女の子ならあり得ない発言だろう。
「連絡返さない時もあるのか?」
「さすがに明日どうする?とか次、いつ飲みに行くとかの返事はするけど、しょーもない、どうでもいいことをやり取りしたり、電話で話すのが嫌なんだよね。それなら飲みに行って話そうって思う」
本当に男みたいなこと言う奴だな。
むしろ今時の男の方が、マメな奴多いしな…。
面倒くさがりなんだろうなと思った。
「私の見た目に幻想抱く奴多いけど、別に服装とかメイクはこれが好きだからしてるだけで、私に女子力求められても困るんだよねー」
それは詐欺と言うのではないかと思う。
が、さすがに口には出せなかった。
「それで揉めること多くなって。で、もう面倒臭いから彼氏いらないやーってなった。第一男友達と彼氏の違いもそんなにわかんないしね。エッチするかしないかの違いくらいでしょう?」
飲んでいたビールが詰まりそうになった。
「それは違うと思うけど…」
赤田はそうかな、とグラスの残りを飲み干した。
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