0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
《side 青》
赤田は笑いながら「青島って清純だねー」と飲んでやがる。
「だってさー、私が男に求めるのってたまに飲んで、エッチ出来たらそれでいいんだもん。連絡がどうこうとか、イベントがどうとか全然興味ないんだもん」
赤田はそう言うとメニューを俺に渡してきて「何か飲む?」と可愛いらしい顔で聞いてきた。きっと周りから見ると、さっきの言葉が同じ奴から出たとは思えないと思う。
俺も焼酎にした。
「けど、お前気をつけろよ。いろんな奴いるから」
「そうなんだよねー。一夜限りの相手探すのはそれなりにリスクいるからねー」
大変なのよーと笑いながら焼酎を飲む赤田。
笑いごとじゃあねーだろー。
「私もさすがに揉めたくないから、妻子持ちや彼女持ちは避けるのよ」
「…そんなのわかるのかよ?嘘付く奴もいるだろう」
俺の会社でも少数だが、不倫したり浮気する奴は聞いたことがある。
「わかるよー。女の勘で。けどさー、独身で彼女居なくて後腐れなくエッチ出来る人って意外と居ないのよねー」
赤田は溜め息をついてから「エッチ終わってから、付き合ってとか言う奴もいるしね。」そんなこと求めてないと言いながら、残りの焼酎を飲み干した。
ピッチ早くないか…?
「しかもさー、冷静に考えると見ず知らずの人と身体だけの関係になるのって結構ギャンブルなんだよねー。密室で2人きりになるし。だから最近はそんなことしてない」
だから溜まってるんだよねーと、さらりと女らしからぬ発言をした。
「それに病気の心配もあるじゃん?最近、多いらしいよー。性病なってる人。青島は大丈夫?」
ニヤリと赤田が笑う。
「はぁ!?大丈夫だよ!」
咄嗟に俺は言い返したが、赤田は笑顔のまま、そうだよねーと同じ銘柄の焼酎をおかわりしていた。
そして溜め息をつきながら「本当にさー、いい人居ないかな?たまに飲みに行って、エッチして後腐れない人」本当に悩んでるんだよなーと言いながら、ふと俺を見てきた。
「…ちょっと待って。青島、今彼女いる?」
背中に汗が流れた。
最初のコメントを投稿しよう!