第1話 落ちこぼれ陰陽師誕生Ⅰ

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第1話 落ちこぼれ陰陽師誕生Ⅰ

 東京襲撃から4年後 京都陰陽師育成学校 せみの声が鳴り響く午後の教室 机をはさんで数メートル先で小太りの先生が黒板に何か書きながら話している。 「え~、敗北を重ねて逃げ回っていた我々は、一年前この京都である陰陽師が式神を使役して、妖(あやかし)を倒しました、今は唯一、妖と戦えるものとして陰陽師が注目されています、そして式神とは、主人である陰陽師の精神力を使用してこの世界に存在している一種のいきものだと~~」 うるさい、せみが、それよりもあの授業が俺に関係ないものすべてが。 ガラガラガラと音を立て扉が開いた、そこには校長先生が立っていた。 「唐鳥(からとり)君来なさい」 呼ばれた、それはそうかあんな事件を起こしているのだから。 「はい、わかりました」 扉を出るときに閉めようと後ろを向くと、クラスメイトの全員がこちらを見ていたが気づいていないふりをして扉を閉めた。 校長先生についていくとそこは、生徒の間で「生と死の部屋」と呼ばれている部屋だった、そう呼ばれている理由は、ここに連れてこられた人は、才能を認められて陰陽師になるか、この学校から追い出されるのどちらかだからだ。 「入りなさい」 そう言われたのでガラガラガラと、扉を開けた。
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