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「まずね、式神はあくまでも陰陽師に作られた生き物?なのかな、であって意思はちゃんとあるんだ、唐鳥君はそれを道具だと言えると思うかい?」
「いいえ、彼らは一人一人ちゃんとした人間だと思います」
急に真面目な話をしたので戸惑ったが、そう答えた。
「そう、そうなんだけどね、陰陽師の中には式神を、道具だと考えて酷使する人もいるんだよ、そういったことで傷を持っている式神はいるんだ、でも主人の精神力を使って生きている式神は、命令を聞くしかないんだ」
「えっと、それと私が学校から追い出されないのには何の関係が?」
「まぁ、普通人を殺したことがある人は、陰陽師にはなれないんだ、才能があれば別だけど、分かるかい?」
才能が無いと言われているような気がしたが、それは分かるので、
「はい」
と答えた。
「だからね、普通は陰陽師に唐鳥君はなれないけれど、今は、妖との戦争中、少しでも戦力が欲しいわけ、だから唐鳥君を、落ちこぼれではあるけど陰陽師にして、僕がさっき話した傷ついた式神を連れてきて、唐鳥君を主人にして、一緒に妖と戦ってもらおうってことだよ。」
頭が追い付いていない、えっとつまり、俺が陰陽師になれるってことか?
「ちなみに、精神力は、式神を作るときに膨大な量を使うけど、式神をこの世界に存在させるだけならほとんど使わないよ、まぁ戦ったらそれなりに使うけど、それぐらいなら才能の無い唐鳥君でも大丈夫だよ」
ついにこの人、ついに才能が無いって言ったよ、事実だろうけど。
「そろそろ時間かな?」
視界が狭まっていく中、
「もう遅いけれどこの話は断れないよ」
と言う声が聞こえた。
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