木漏れ日のもと、君を想う

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あれは今から15年ほど昔のことだ。 当時の僕は今とは違い、一匹狼ではなかった。厳格で狩りの得意な父と優しくて朗らかな母、すばしっこい兄、そして賢い姉と一緒に暮らしていた。勿論友達も多くいた。確か、1番仲が良かったのは気さくで天然なロンと少し堅物だけどユニークなジャックだったと思う。決して裕福ではなかったが、それなりに幸せに暮らしていた。 そんな小さな幸福の芽を摘み取ったのは、あの晩響いた十数発の銃声だった。僕は当時、森で逃げ惑うネズミにじゃれて遊んでいた。突然鳴り響く音に驚いた僕は家に引き返した。すると僕の大好きだった家族も仲間も皆銃弾に倒れていた。 僕があまりに唐突のことで涙も流さずに呆然としていると、1人の貴族らしき男と従者らしき2人の男が奥から現れた。 「ルーカス様、神聖な森で殺傷は…」 「ふん、ただの試し撃ち程度さ」 男は傲慢な調子で言った。 「それに神聖と言っても、人の近づかぬ森。誰も気づきはしないさ」 そう言って高らかに笑った。
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