7人が本棚に入れています
本棚に追加
-こんなところで遭うとは…
僕は運命のいたずらというものを感じていた。
そんな僕の気持ちも知らず、あの男は未だ呑気に彼女を探していた。
パキッ。
ふと僕の後ろで枝の折れる音がした。見れば彼女が青い顔をして、目を見開いていた。
「ああ、愛しのメグ。そんなところにいらっしゃったか」
男も彼女に気づき、嬉しそうな声を上げた。
「ああ、そんな野蛮な奴のとなりで…今、助けに参ります」
-野蛮とは相変わらず失礼な奴め。
僕の腸はふつふつと煮えかえっていた。
「頼んでないし…」
状況を読めているのかいないのか、小声で拒否する彼女。
僕は正直彼女のことはどうでもよかったが、この大切な昼寝場所をあの男に汚させるのは赦せなかった。
そして今このときこそ、彼へ復讐のときだと思った。
しかし彼に襲い掛かろうと構えた瞬間、僕自身に思いもよらぬことが起きた。
最初のコメントを投稿しよう!