木漏れ日のもと、君を想う

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-こんなところで遭うとは… 僕は運命のいたずらというものを感じていた。 そんな僕の気持ちも知らず、あの男は未だ呑気に彼女を探していた。 パキッ。 ふと僕の後ろで枝の折れる音がした。見れば彼女が青い顔をして、目を見開いていた。 「ああ、愛しのメグ。そんなところにいらっしゃったか」 男も彼女に気づき、嬉しそうな声を上げた。 「ああ、そんな野蛮な奴のとなりで…今、助けに参ります」 -野蛮とは相変わらず失礼な奴め。 僕の(はらわた)はふつふつと煮えかえっていた。 「頼んでないし…」 状況を読めているのかいないのか、小声で拒否する彼女。 僕は正直彼女のことはどうでもよかったが、この大切な昼寝場所をあの男に汚させるのは赦せなかった。 そして今このときこそ、彼へ復讐のときだと思った。 しかし彼に襲い掛かろうと構えた瞬間、僕自身に思いもよらぬことが起きた。
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