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すると勢いよく1人の少女が現れた。無論、先日ここで出会った彼女である。
ただ彼女の様子は大分おかしかった。以前会ったときは軽くリボンでまとめただけの香色の髪は丁寧に巻かれ、綺麗なレースと真珠の髪留めがなされている一方、あちらこちらに葉っぱをつけていた。また頬にうっすらと塗られた紅は、この時期では考えられないほどの大粒の汗で落ちかけていた。服装もコルセットで腰を絞り、袖はふっくらとした上流階級の流行りの型で生地も装飾も豪華で上品にもかかわらず、裾にはたっぷりと泥はねがついていた。
「突然ごめんなさい、でも静かにしているからここにいさせて、お願い」
彼女は息を切らせながら、僕を見た瞬間そう言った。彼女の榛色の瞳には真剣な光が宿っていた。
-僕の安眠の邪魔さえしなければ、どうでもいいや。
僕は返事の代わりに興味の失せたように、彼女から視線を外した。まあ実際僕は、他人に関心がないのだけれども。
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