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「あーあ、結局、スネ夫の息子もスネ夫なんだよ。俺も言葉で色んな人を悲しませてきたんだろうな。いつの間にか嫌われてることもあったなあ。親のせいにしてるのも他罰傾向だし、ぐるぐる回って嫌だなあ、辛いなあ」
ワナビが上を向いた。チャンスだ。俺は一気に飛び出して屋根を駆けた。背後で扉の閉まる音がした。
翌朝、餌場で弟が死んでいた。外傷はなかった。ただ鼻から血が出ていた。俺は匂いを嗅ぎ、鼻を擦りつけて鳴いた。
「おーおー可哀相に、病気かい。ここにいると臭くなっちゃうからね。保健所に連絡してやるね」と、ウラセサンが言った。
弟の体は甘い匂いがした。
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