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キヨシサンは、いまいましくて仕方ないという風に言った。
「まったく、うちに来て、うんちを片づけろだよな。お義母さんの鉢植えをトイレにして、勝手に餌やって無責任すぎるだろ。庭は猫の小便の臭いがするし、サカリがついて夜中うるさいし、あいつら勝手に入ってきて、悠々と歩いてるの見ると頭にくるよ」
「塀にとげとげ付けたのに、その上をそーっと歩いてるのよ、憎たらしい」と、ヨーコサン。
この2人が息巻くと、家族はさらに緊張を帯びる。しかし、そのことに当人達は気づいていないだろうと、俺はにらんでいる。
「あいつら、入れないようにしようと思ったら、家を網で囲うしかないからな」
「気持ちの悪い。お母さんだって嫌よねえ」
オカアサンは、すこし間を置いて、言った。「公衆トイレができたから大丈夫だよ、ねえ」
「うまくいくといいけど」と、ワナビ。
「なんだそれ?」と、キヨシサンが言った。
すこし馬鹿にしているようだ、と俺は思った。
「野良猫のトイレの躾。猫は決まった場所にトイレするから、うまくいけば鉢植えを守れる」
「深夜が片づけるのか」
「そう、毎日やるよ」
「馬鹿馬鹿しい。なんで深夜がやらなきゃいけないんだ。浦瀬のババアにやらせろ」
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