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「せめて去勢くらいして欲しいわよね。あんなのどんどん増えるんだから。ほんと気持ちの悪い」
がちゃがちゃと会話が続くので、俺は飽きてきた。便意もいい感じに高まってきたので、あの花壇に向かうことにする。
そのとき、廊下のトタン屋根が、どどっと鳴った。弟が走ったのだな、と俺は思った。
「あ!」と、キヨシサンが叫んで椅子を引き、障子を開ける音がした。続いて、サッシが開き、トタン屋根にどばどばと水が流れ出す。
キヨシサンは、俺たちを見つけると物干し竿で追ったり、水を掛けたりする。いまも、庭に出て弟を追ってホースで屋根に水を撒いているのだろう。
しかし、読者諸氏は安心して欲しい。あんな、のろまにやられる俺たちではない。野良を舐めてもらっては困る。
「小さい命に対する態度として、どうなの」と、ワナビが声を震わせて呟くのが聞こえた。
俺は平屋から抜け出して、弟と合流した。
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