冷凍睡眠からの覚醒

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そう言いながら亮太は大気圏突入の準備を進めた。 スラスターを噴射し大気の上層にもう少し深く入るコースへ軌道修正する。 大気圏まで、残り5分だった。 「事故はペガサスが木星圏を出て直ぐ。君達が冷凍睡眠に入って3日目に起こったんだ。最初の隕石で、船長以下2名の乗員が死亡したのはテレメートリーで分かっていた。でも君は生きていた。その瞬間は君のバイオデータは取れていたからね。ただ数秒後、テレメートリーも切れてしまった。地球では、多分、未だ生きたまま地球に向かっている君をどう救出するか? 多くの論議がされた」 「でもペガサスが地球に戻ってくるときの速度は秒速20キロを超えており、その速度を我々の技術で出すのは困難だったから、救出は不可能と言う結論だった」 「俺は、そんな結論認めなかった」 「だって、真理は俺が絶対、守るんだから」 「そして俺は様々な計算を行い、ある解を導き出した」 「まだ、ペガサスが地球に戻ってくるまで約一年があった。だから、直ぐにペガサスの同型機、このアルバトロスを打ち上げて火星軌道迄飛ばした。そして火星のスイングバイで速度を出して、ペガサスにランデブーするオプションを導き出した」     
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