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金曜日の夜。
「明日宅配便来るから受け取っておいて」
「自分で受け取りなさいよ」
「ヤマトと遊ぶ約束してるから」
「もう……はいはい、わかりました。母さんがお留守番してますよ」
「よろしくー」
――――翌日。
「ただいまー」
「おかえり。あんた何買ったの! あんな大きな箱」
「箱だけだって。ちょっと運動するためだし」
「無駄遣いせずに有意義に使わなきゃ……」
「うん。わかってるわかってる」
そう言って俺は少しばかり重たい箱を運びながら自室へと向かう。
母さんは大袈裟だ。
いつもは漫画本とか服ばっかりでサイズが小さいだけで今回のが少しばかり大きく見えるだけだ。
買ったのはボクシングの練習で使うようなサンドバッグ。とはいえ、砂を入れて吊るす大きなやつじゃなく、起きあがりこぼしのような簡易的な物だ。
開封して説明書も読まずに早速試し打ち。
「せーのっ……グフ」
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