本章

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すぐに週末がやってきた。 いつもの通り、疲れ果てて化粧も落とさず、ベッドで寝てしまって迎えた土曜日の朝。 私は山奥のログハウスの一室のベッドに寝かせられていた。私の服装は寝落ちした時のワイシャツ姿でなく、ジーパンに黒いTシャツとカジュアルな装いだった。窓を開けると木と道しか見えず、またどこに連れられてきたのかわからない。 ベッドでぼんやりとしていると、正志が部屋にはいってきた。 正志はカーボイハットに、赤と黒のチェックのシャツに茶色のパンツを身につけていた。 「起きた?」 「うん。おはよ」 私を伺うような目で見つめる正志を無視して、ベッドから降りた。 「朝ごはん食べる」 「そ、そうだね。用意してあるよ」 私は正志と一緒に部屋を出て、リビングらしき部屋に用意された朝ごはんを無言で食べた。 その間も、正志は目玉焼きをちょびちょび食べながら私はをチラチラ見ている。 私はその視線を無視し続け、テレビをつけた。 そこではニュース番組の天気予報が流れていた。 『台風23号は急に進路を変え、今日未明に本島へ上陸予定です』 天気本日予報士が台風の進路図を指しながら、今後の天気について話していた。 ぼうと見ていると、ガタッと大きな音がして振り返る。 「…マジか」 正志が目を丸くして立っていた。 「どうしたの?」 「…ここ、台風直撃コースにど真ん中」 「…は?」 私たちは互いに見つめながらしばらく動けなかった。
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