20人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
コピーロボットみたいだなと言ったら宙太郎は「機械じゃない、妖術だよ」と笑っていた。
その晩、一緒の布団に入るといってきかなかった宙太郎をなんとか説得し、別々の布団で寝ることに成功したのは夜中の2時をまわってからだった。
腰を痛めた幸夫は一階で寝ている。明日が日曜日でよかった。とりあえず店番は伍火が行うとして、月曜日からはどうしたものか。高校生にも介護休暇は適応されるのか、真面目に学校の担任に問い合わせてみた方がよさそうだ。
「はぁ……」
「悩み事?」
「まだ起きてたのか」
「伍火の隣で寝られるのがうれしくて」
「宙太郎はどうしてそんなにオレと一緒にいたいんだ?」
「本当に覚えてないの?」
「宙太郎がその、子作り云々と言っていたことか?」
「それじゃない」
それじゃないならどれだというのだ。高校入学して仲良くしていたわけでもない。そんな二人の間に重要な約束を交わす想い出などなかったはずだ。それともそれ以前に自分と宙太郎は出会っていたというのだろうか。
「覚えていないならそれでもいいんだけど」
宙太郎はがばっと布団を跳ね上げ起き上がった。伍火は条件反射で自分の布団をつかんで防御体勢に入る。
「まずは幸夫おじいちゃんの腰がよくなるまでは、ここでお手伝いさせて」
「それは助かるが」
最初のコメントを投稿しよう!