Chapter4

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Chapter4

 翌日の月曜日。伍火は休むつもりだったが幸夫が許さず、薬局の方を休業にした。幸夫はタクシーで病院に向かい、それを見送ったあと二人は登校した。  ホームルームが始まって転校生の紹介があり、桐宮明人が転入してきた。宙太郎と伍火は目を合わせ、これは厄介なことになりそうだと、互いにため息をついた。  HRでのあいさつも明人らしく済ませクラスメイトの注目を浴び、さらにサッカーで活躍した。  その日の一時限目は体育だった。器用にサッカーボールを蹴り、ボールをわが物にしている。サッカー部に所属しているクラスメイトでさえ、桐宮からボールを奪うことに苦労していた。  伍火は、身長が高いからという理由だけで体育教師から指名され、キーパーをしている。断る理由もなかったのでキーパーを引き受け、桐宮と敵対するチームに入った。  宙太郎は回復したばかりの体調を考慮して見学をしていた。本人は「もう元気だから」と参加したがった。しかし伍火はまた不調をぶり返してもしょうがないと告げると「薬師みたいなこと言ってる」とからかいつつ、素直に伍火の助言を受け入れていた。 「伍火――! がんばれ――!」     
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