この星空の下で、キミを待ってる

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「いつか忘れて、忘れられて。何年もずっと一緒にいたソラと離れても違和感がないって思うのも、僕と離れても違和感がないって思われるのも嫌だ」 「……っ」 「僕、今回はちゃんと星に願いごとした」 ――――またいつか、この星空の下でソラと会えますように、って。 それを聞いた途端、ソラは今までかろうじて浮かべていた程度だった涙を、防波堤が決壊したように溢れさせた。 そして、嗚咽を堪えながらソラは言った。 「お願いごと、口にしちゃダメだよ」 「そんなのただの都市伝説だ。そもそも僕たちは都市伝説なんかで引き裂かれるほど薄い関係じゃないだろ?」 「そりゃ何十年も一緒にいるもん。でも……」 「あーもう、面倒くさい。結論、ソラの社長としての仕事がひと段落して、僕の大学……もしかしたら就職してるかもな。とにかく、僕も生活が落ち着いてお互いに余裕ができたら、またここで会おうって言ってんだ」 「……ひょっとしたらずっと帰って来ないかも」 「それでもいいよ」 「海外進出して、イギリスとかアメリカとか行っちゃうかも」 「いいって」 「もしかしたら「もう、いいって」……っ、」 「僕はずっとソラを待ってる。そりゃ僕が落ち着いたらってなるけど、それからなら僕はずっと待てる。何年経とうと、何十年経とうと、僕はここに帰って来てソラを探す」 「……うん」     
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