この星空の下で、キミを待ってる

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いつかのように、僕たちは星空の下で流れ星を探していた。 「今日はオリオン座流星群なんだって!」 「へぇ、じゃあもしかしたら大きいの流れるかもな」 「うん、楽しみだね!……ちなみに、さ。ユウは今年、どんなお願いごとするの?」 「秘密」 「も~!教えてくれたっていいじゃん!」 「誰だよ、願いごとを口にしたら叶わなくなるって話してたの」 「それはユウが言ったことじゃん」 「あれ、そうだったっけ」 いつものように、たわいない話をして流れ星を探して、何事もなく終わる1日だったはずなのに。 「あたし、進路決めたんだ」 ソラのこの一言から、平穏は消え去った。 それに気づかぬまま、僕は話し続けた。 「おぉ、やっとか。確かこのクラスで進路決まってなかったのソラだけだったよな」 「んふふ~、たっくさん迷った証拠だよ!」 「はいはい。で、進路はどうするんだ?」 「あたし……就職することにしたの。東京に」 「へぇ、結構遠いとこ行くんだな。就職組にしては珍しいじゃん、東京なんて」 僕たちが通う高校は、進学と就職が半分くらいの比率で、どちらかと言えば就職に力を入れている学校だ。     
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