#4 約束

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「伴行さん……」  私は中将の唇に軽く口付け、おずおずと右の小指を差し出す。 「約束……してください。ずっと私と一緒にいてくれると」 「ああ。絶対におまえを離さない」  互いの小指が強く絡む、二人を繋ぐ約束。 「愛してる、将希」 「私も……」  こんな時代でなければ、出会うことなどなかった運命の人。  中将と私を引き合わせてくれた狂った時代に初めて感謝し、彼と共にあることに命の尊さを感じて、私の中に生きる気力が湧いてくる。 「無事に帰還できたら、伴行さんと一緒に住む家を探さないといけないですね」 「そうだな。地主に伝がある。帰ったらふたりで訪ねてみよう。いい家が見つかるといいが」  この先、二人で描く幸せを想像し、そして決意する。  こんなところで終われない。  私たちは、星空の下でいつまでも抱き合っていた。 ――――ふたりなら、もう何も怖くない。 ***
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