8 12月25日(火)

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 その夜。  片づけを七割終わらせた伊織は、クリスマスケーキに手を伸ばした。  箱を開けてみる。 「は……? ええ!」  やけに大きい箱、というか、高さがあるとは思っていたけれど、目の前にあるクリスマスケーキは二段になっていて、明らかにウエディングケーキ仕様だった。 「お、おじさん……!」  睡眠もよくとらないで、こんなに根をつめていたのかと、伊織は絶叫しそうになった。 「やるね、おじさん。さっそく、食べてみよ」  シキが口笛を鳴らす。 「崩すの、もったいないな」 「おいおい、食べないでおるほうがもったいやん。あれやるで、あーんって。フォーク、持って伊織。はい、あーんして」  抵抗するのも無粋というもの。伊織は素直に口を開いた。 「うん、おいしい。甘い。ふわっと溶ける」  シキにも食べさせてやる。 「おいしいでー。いくらでも食べられそうや」
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