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第一章
どこか違う世界。
広大な大陸へ寄り添うようにして浮かぶとある「帝国」は、古くから海運と軽工業で栄えた。
帝国と海を挟んで領地を擁する「衆協国」は、周辺国家に比して近代軍備を整えるのに時間を擁しており、折からの革命とそれに参加した軍閥の野心により反乱や周辺国による一部領土の割譲の憂き目にあっていた。
衆協国に先んじて近代装備師団を創設した帝国は、居留民襲撃や貿易摩擦を理由に大陸へ兵を置き、財産と領域の保護にあたっていた。
しかし、衆協国内で有力な舞台を擁する地方軍閥「辣家軍」はとある部隊を襲撃、以前から帝国がダンピングを行っていた疑惑もあって戦火は一気に燃え広がった。
第三国を仲介し大陸の戦闘は停止されたが、これにより帝国が獲得した領域はあまりにも狭く、再び軍閥が先制してきたならば海へ追い落とされるのは必至と思われた。
そこで、十分な火力を有し、国際社会へアピールする際に「軍同士の衝突があった」と公式に表明できるよう、警察ではなく、新たな軍を創設する事となった。
それが「国境警備軍」である。
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