貴方という嘘吐きへ。

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 そんな日々を過ごし、貴方が掴んでくれている私の手を離してしまうのではないかと不安になりました。結果として私が無視していたメッセージを返して、貴方に無視していた理由を話したことで仲直りしましたね。あの時、貴方が私の家まで訪れて「心配させないでよ」と泣いてくれたのを今でも忘れられません。  本当に幸せな人生でした。幸せで、幸せで、ずっと心の満たされる日々でした。貴方と一緒にいられて良かった、と。貴方と付き合えて良かった、と。心の底からそう思える日々でした。  しかし、いつからでしょうか。貴方に違和感を覚え始めたのは。  貴方のメッセージを、待ち望むようになったのは。  貴方の歩幅に、合わせるようになったのは。  貴方と、会う頻度が少なくなったのは。  貴方と、話す頻度が少なくなったのは。  貴方の隣で、眠れなくなってしまったのは。  ?  街で大好きな貴方の後ろ姿を見つけました。ちょっとした癖っ毛が愛らしく、猫背で赤色の服装が大好きな貴方の姿。  隣には純白の綺麗なワンピースにの女性の姿。貴方の手を取り、幸せそうに貴方を見上げるの女性。  あぁ、違和感とはこういうことだったんだね。 「ねぇ――」  付き合って八年になる最愛の貴方へ。  そんな貴方に伝えたいことがあります。 「――別れよっか」  私は、目を覚ましたのです。貴方という愛の罠から。
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