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こんな夢を見た。
目が覚めるとそこには、星空が広がっていた。
部屋のベッドではない、どこか屋外の場所の様だった。
ぼんやりとした頭で体を起こす。
固い大理石の様な所に寝ていたのに、不思議とどこも痛くなかった。
改めて辺りを見渡すと、ここがどこかの建物の中である事に気付いた。
学校の校舎くらいある高い壁。
外と思った所は吹き抜けになっていた。
出入口らしき穴を見つけ、外に出てみた。
石造りの古い廊下。
所々、苔が蒸していた。
どうやら大分古い建物の様だった。
再び明るい場所に出た。
そこには、巨大な人口の池が広がっていた。
楕円状の回廊が、周りをぐるりと取り囲み、その一部が緩い傾斜を保って池へと繋がっていた。
畔まで下りて、水を掬ってみた。
冷たかった。
今度は思い切って足を浸けてみた。
肩まで浸かるぐらいの深さだった。
力を抜くと体が浮いた。
目を瞑ってみた。
波音だけが聞こえた。
そうして、たゆたう水に身を任せている内に、思い出すことがあった。
ずっと昔に自分はここで暮らしていた事。
そして、とっくにこの場所が滅びてしまった事。
全てが腑に落ちた気がした。
その時、何かが跳ねる音がした。
目を開けるとそこには、月明かりに照らされて空を飛ぶ魚の姿があった。
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