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慌てた様子で教室に入ってきたのは、髪の寂しさを隠しきれていない、年配の先生らしき人だった。
「鈴木凌太くんいるかな」
その名前が僕を指すものだと認識し、右手をあげる。
「お母さんの容態が・・・」
年配の先生の話が、右の耳から左の耳へと流れていく。
頭が考えることを放棄し、思考がまとまらない。
文字通り真っ白になっていた。
年配の先生に促され、席を立ち上がる。
そんな僕を見るクラスの目は、どこか冷たく感じた。
さきほど紙が回ってきた生徒に関しては、なにやら続きを書いている。
よっぽど大切な内容なのだろうか。
グラウンドのカラスは、いつ間にかいなくなっていた。
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