15人が本棚に入れています
本棚に追加
第3章 運命の日
「・・・・・・ん」
ぼやけた視界の先に天井が見えた。
シミの数まで知っている、おなじみの天井。
ちなみにシミの数は0個だ。
徐々に覚醒していく意識と、いつまでたってもぼやけている視界。
しばらくたって、自分が泣いていることに気づいた。
なにか悲しい夢でも見たのだろう。
枕元にあるはずのティッシュに手を伸ばす。
慣れた手つきでティッシュを二、三枚抜き取り、目から流れる液体を拭き取る。
ついでに鼻もかむと、少し離れたゴミ箱に向かって投げた。
しかし、ティッシュはゴミ箱までの半分の距離も届かず、床に不時着陸。
僕はそれを拾って、不恰好なダンクシュートを決めた。
最初のコメントを投稿しよう!