第3章 運命の日

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ゴトッ 飲みあげたコーラのラベルを剥がしていると、真っ暗なリビングから音がした。 僕と似て控えめな性格の心臓が、突如存在を主張しだす。 やはり、付箋に除霊の効果はないらしい。 リビングの方に目を向けて、不恰好な戦闘態勢をとっていると。 「・・・凌太起きてたのか」 幽霊ではなく、少し驚いた様子の親父が顔を出した。 あんなにうるさかったのが嘘のように、心臓がおとなしくなる。 「なんだ親父か・・・」 親父が冷蔵庫からお茶を取り出し、コップに移してから口に含む。 風呂上がりなのか、親父の首にはタオルが巻かれていた。 コップに注いだお茶を飲み干すと。 親父は、僕の方を向いてこんなことを尋ねてきた。
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