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いつもと同じ道に、いつもと同じ景色。
いつもと違う電車に揺られること一時間。
僕は校門の前にいた。
「もしかしたら開いてないかも」と少し心配していたが、どうやら杞憂だったようだ。
「教頭先生も朝早くから大変だな」
学校の鍵を管理していると聞いたことのある、教頭先生を頭に浮かべて、校内に入っていく。
いつも色とりどりな靴箱はどこも空で、校内用のスリッパだけが綺麗に並んでいた。
「誰もいないのか・・・」
自分が一番だと思うと、少しだけテンションが上がった。
何事も一番だと嬉しいものである。
誰の声も足音もしない学校に新鮮さを覚えながら、二階にある教室に向かう。
いつもの学校とのギャップと、生活リズムの崩れから。僕のテンションは自然と高まっていく。
教室に着く頃には最高潮となり、なんなら鼻歌まで歌っていた。
しかし、教室のドアを開けた瞬間。その高揚はどこかに消えてしまった。
なぜならそこに、誰もいないなずの教室に。
小川結衣がいたからだ。
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