第3章 運命の日

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「・・・なんで笑ってるの?」 「え?もしかして顔に出てた?」 どうやら感情がそのまま表情に出ていたらしい。 僕が自分の顔を両手で触っていると、彼女はくすくすと笑った。 その仕草がとても可愛らしくて、僕の心はくすぐられる。 「・・・でも、なんで私の顔じっとみてたの?」 子供が、空に浮かぶ雲について母親に尋ねるように。純粋な目で尋ねてくる。 「それは、小川さんが可愛かったから・・・」 この特別な空間がそうさせたのか、それとも変則的な生活リズムによるものか。 僕は思ったことをそのまま口にしてしまっていた。 「そう・・・・・」 彼女の顔がみるみる赤くなる。 僕が、頭の中で必死に言い訳を探していると、廊下の方から話し声がした。 僕は慌てて姿勢を戻し、平静を装う。 それと同時に、数人のクラスメートが談笑しながら教室に入ってきた。 昨日観たテレビなど、他愛もない話に花を咲かせている。 ちらっと、五席向こうの彼女を確認する。 そこに座っていたのは、いつもと変わらず無表情な女の子だった。
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