15人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜。贅沢に足を伸ばせる湯船の中で、僕は今日の出来事を思い出していた。
長期休暇明けの同級生のように、雰囲気をガラリと変えた学校。
誰もいないと思っていた教室で、ひとり眠っていたいじめられっ子。
いじめられっ子の仮面の奥に垣間見えた、年相応の可愛らしい女の子の顔。
そして、いじめを見て見ぬ振りして、傍観する僕。
「・・・よし」
小さな決意を胸に秘めて、芯まで温もった身体を立ち上げる。
髪の毛から滴る水滴は、すでに冷たくなっていた。
最初のコメントを投稿しよう!