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彼女にとってもそうなら、どれだけ素晴らしいことだろうか。
僕は淡い期待を抱きつつ、彼女の話に耳を傾ける。
最初の頃に比べると、数段高くなったように感じられる声のトーン。
どこか安らぎを覚えるその声で、次々に語られる小説のお話を、僕は相槌を打ちながら熱心に聞いていた。
話にひと段落つき、訪れた束の間の沈黙。
そこに初めのような不快感はなく、むしろ安心感のようなものが漂っていた。
「次は何を話そうか」と考えていると、ふと以前から疑問に思っていたことが脳裏に浮かんだ。
それは、捉え方によっては『攻撃』ともなる質問。
でも、いつかは聞かないといけない質問。
僕はそのタイミングを、今日、今、この時にすることにした。
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