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放課後を告げるチャイムが鳴り、大半の生徒が部活へ向かう。
グランドからは、野球部の一際大きな声と、ボールを打つ金属音が聞こえてくる。
体育館から聞こえるのは、バスケットボールをドリブルする音だろうか。
各教室では、残った人たちが雑談をしている。
『青春』というステージの上で、それぞれの楽器を奏でる若人たち。
そのステージに僕の姿はなく。観客席の最後列から、拍手をすることも、歓声をあげることもなく、ただただ見ていた。
「帰るか・・・」
机の中の教科書を乱暴に鞄に詰め込み、教室を後にする。
その時、視界の隅に映った小川結衣は、一人で本を読んでいた。
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