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第4章 約束
耳元で鳴り響く目覚まし時計を乱暴に止め、寝ぼけ眼で制服に着替えて階段を下る。
少し冷たく感じてきた水道水で顔を洗い、大人同士の低レベルな喧嘩を真剣に解説するニュースを眺めながら、インスタントのコーンスープで冷えた体を温める。
履き慣れた靴を器用に履いてドアを開けると、乾いた風が襲ってきた。
「いってきます」
誰もいない家に、再会の意味を込めた言葉を残して。今日も僕は学校に行く。
今まではなかった、僕然とした期待を胸に。
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