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副社長の髪の毛の先から滴る水滴にハッとして副社長の頭をガバッとつかんだ。
熱い紅茶を運んでたんだった。
副社長は紅茶を被って絶対火傷したに違いなくて。
濡れた髪の毛を掻き分けて見ると、赤いとこはなくてホッとしかけた時、ワイシャツから首筋が覗いた。
真っ赤になった首筋筋に慌ててワイシャツに手を伸ばすとその手をつかまれた。
「別になんともない」
「なんともないわけないです。だってこんなに真っ赤になって」
「だが、おまえが悪いわけじゃないだろう?秘書課はプライドが高いからな、新しい獲物が入ってきたら蹴落とそうとする。おまえは足を出されて転んだだけだ」
「…見てたんですか」
だからってわたしが熱い紅茶をかけたことにかわりない。
「たまたまだ」
「どうしよう、医務室!あ、水、掛けなきゃ!」
副社長を無理やり引っ張り立たせると秘書課の中へ引き摺り込んだ。
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