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奥のシャワールームに押し込むとシャツの上からなるべく肩だけをを水で冷やす。
処置が早かったのか少し赤みはあるものの酷くはないみたいでホッとした。
「おい、おまえ」
「医務室に連れてかなきゃ」
タオルを頭に被せると、エレベーターの2つ下の階のボタンを押して重役専用エレベーターで医務室へ向かった。
「先生、診てください!お願いしますっ!」
飛び込んだ医務室で、
「月ちゃん、またケガしたの?って、あら?」
振り返った先生はわたしが引っ張ってきた副社長を見ると目を点にした。
「陸っ!?」
「なんだよ」
え?なに?
名を呼んでふたりは親しそうだった。
「先生!わたし副社長に熱いお茶掛けちゃって。火傷させてしまったんです!赤くなってて!」
「どれ?」
診ると先生は軟膏を取り出して塗ってわたしに手渡した。
「大したことないわよ。赤くなってるだけ。痛みもすぐ治まるだろうけど一応軟膏出しとくわね」
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