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そして、それが恋愛感情である事に気づいたのは、出会ってから一年ほど経ってからだった。 一度は想いを告げたが、受け入れてもらえなかった。 年もキャリアも職場での地位も違う自分を、恋愛対象には見れないのは仕方ないとは思ったが、それでも諦めることが出来ずに、それからは見守る事しか出来なかった。 そんな彼女が、あの夜、疲れ果てて、肩を落として、小さくなって目の前にいて。 こんな俺にさえ、縋るような目をして見つめてきた。 そして、俺の胸の中にポスンと収まった。 くるりと囲んだ手も、ずっと求めていたその温もりも、もう離すことなど出来なかった。 その日から、彼女はこの部屋に何度も来るようになった。 それほどまでに、彼女の心は弱っていた。 そして、間違えだと気付きながら、俺もそれを受け入れた。     
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