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そして、話も中盤辺りに差し掛かると、耳をつく大声で自らを貶めて、たくさんの
後悔を口にして涙を流した。
こんな時、た易く感情移入してしまう月子は、目の前のサムライの先祖霊と一緒に
オイオイと泣きじゃくってしまうのだった。
そんな、無防備な月子の涙は、サムライの先祖霊の心をじんわりと癒していった。
「か、かたじけない。お陰で心の乱れが無くなりました」
「そうですか。良かったです」
月子の、霊に寄り添うカウンセリングは、彼らたちの間でとても評判となり、増々
ここを訪れる霊は増えて行った。
今日も、霊達の悩み事相談で1日が終わってしまった。
そんな月子は家事も思うように出来ない上に、疲労も溜まっていた。
月子はタオルで顔を拭うと、蚊取り線香の焚いてある縁側に座ってお茶をすすった。
目の前に広がる庭で、赤トンボが飛んでいる。
月子は溜息をついて、そして空を見上げた。
すると。
「オ~イ 無理すんなよ!」
そこには心配顔で手を振る、月子の守護霊がいた。
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