コウノトリの巣の上で

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 「うちらのクラスって、みんなマイペースだったし」  私の診察室が、小さな同窓会場となった。  「まあ、同窓会はやってないけど、大事な話は、結構風の噂に聞こえてくるのよね。あなた達二人が結婚した時も、すぐに伝わって来たわよ」  「そうなんだ。式はこじんまりと済ませたから、同級生はそんなに招待しなかったんだけど」   「だって、うちの高校一のイケメンと美少女のカップルでしょう。なんか芸能人のビッグカップル誕生みたいな感じで、そりゃみんなの話題にもなったわよ」  「きゃー、もうやめてよー。昔の話だし、そりゃ、たっくんはイケメンだけどあたしなんか」  じたばたと恥ずかしがってみせる真理を見てると思わず笑ってしまう。こういう無邪気なところが彼女のチャームポイントの一つなのかもしれないな。  「ねー、佳子ちゃんは結婚しないの?」  「ちょ、ちょっと真理ちゃん」  無邪気さ全開の真理を、卓哉が慌てて窘める。  「そういうの、今時セクハラになるよ。ごめんね、佳子ちゃん」  「そっかー、ごめーん。佳子ちゃんなら気にしないと思ったから」  「あはは、そんなのいいのよ。全然気にしないで。みんなとは長いつきあいだし。まあ、いい人がいればするわよ。焦らずにぼちぼち見つけていくわ」     
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