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「大丈夫、佳子ちゃんなら、素晴らしい相手が絶対見つかるよ」
卓哉は一生懸命気を使ってる。そう、彼は、常に色んな人に気を配るタイプだった。単にイケメンだけじゃなく、こういう性格の良さもあったからこそ、男女問わずにその人気は不動のものだったのだ。
「うちの高校一って言えば、佳子ちゃんだってそうじゃない?」
「そうそう、いっつも学年で一番だったもんね」
ひょんな事から私の話題になる。
「あんなの随分昔の話よ。それにうちの高校で一番ていったって、世間はもっともっと広いんだから」
「それでも毎回学年トップで三年間通すなんて、なかなか出来ないよ。本当に、どんなに勉強したつもりでも、佳子ちゃんには敵わなかった」
「頭の出来が違うんだよねー、人間じゃないみたい」
「ちょ、ちょっと、真理ちゃん」
「あはは、宇宙人じゃないんだから。でも、本当、世間は広いわよ。私も大学の医学部に入って思い知らされたわ。世の中には自分より優秀な人間なんてごろごろいるし、自分の知識や経験も、所詮はちっぽけな物なんだって」
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