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昨日までのどんよりと曇った
どこまでも続きそうな
灰色の空ではなく、
冬の冷たい空気がピーンっと
はったような鮮やかな
青の衣をまとったような空。
比呂美は昨日シュウからもらった
白のワンピースに
赤いウールのコートを身に纏い、
ひとり東京駅の新幹線のホームの
隅のベンチで
待ち人が来ない
ひとりの時空に身を委ね
視線もさだまらないまま
もう3時間が過ぎようとしていた。
ーーやっぱり…
ーーあたし…シュウくんに捨てられたんだ……
ーープルルルルルル…
と発車のベルが虚しくホームじゅうに響き渡る。
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