22人が本棚に入れています
本棚に追加
シュウ君に捨てられたのだと
思い知らされた私は
アパートへ帰るため
東京駅の構内を
生きる気力も無くしたまま呆然と歩きだした。
そして熊本の実家へ戻ろうと
東京駅の構内を歩いていた…。
どこだっただろう。
駅の構内のどこかにあった
大型ビジョンで流れ始めた
『シュウ君の自殺報道』。
私が犯した
『殺人』の罪の身代わりとなって
あの夜…まだ傷だらけだったシュウ君が立っていた
同じビルから飛び降りて…
ーー私を罪から遠ざけようと…
私の手から、か弱くて身勝手な手から
未来ごと全てがすり抜けて行く。
そのニュース報道を見た私を
容赦なく枯れ果てたはずの涙が
何時間も責め続け…
その場に私を雁字搦めにしたまま
容赦ない言葉を浴びせる。
最初のコメントを投稿しよう!