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晴馬は車のボンネットにもたれかかって待っていてくれた。強い風が吹いて、髪の毛がくしゃくしゃになりながら、抱き締められた。
「俺、もっと夏鈴のこと知らなきゃいけないよな」
「無理しなくていいよ?」
「知らないで行く方が無理だろ。お前のこと、一番知って理解できる夫になりたいんだよ」
広くて高い肩に手を回して目を閉じた。ここはこんなに暗いけど、私のまぶたの裏ではキラキラと輝く晴馬のオーラが見える。
私にはいつだって正直で真っ直ぐな晴馬の気持ちが嬉しくて、凄く幸せ。
二十歳の誕生日を祝ってくれてありがとう。
これからも記念日はこんな風にたまにしかできない話をして、生きていきたいな。
end
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