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甘い言い方にまた、ときめきが止まらなくなりそうで。とはいえ、もうすぐ夕食だから、私は晴馬のシャツのボタンを留めてあげた。
外はもう、濃紺の夕闇に包まれている。近所の家の灯りがともり、小さな漁村ののどかな夜が始まる。
殺風景ながらも人々の温かさがあって、今ではこの生まれ育った町を、愛している。晴馬もそれは同じみたいで、今年春から彼の実家があった土地に私達の家を建てようと言い出した。工務店の社長さんは晴馬のお父さんの親戚で、東京で空間デザインの仕事をしていた晴馬は設計に自ら参加していた。どんな家が出来上がるのか、今からとっても楽しみ。
食事をしながら、最近はずっと家造りの話題が中心だ。
「俺達の主寝室を、一階にする? 二階にする?」
「一階は、客間にするのが普通じゃない?」
「客間か……。そうだよな」
「私は二階でも良いよ」
「たしかに、お客さんが泊ってる部屋の隣で俺達の夫婦の営みが聞こえたらやだし、な」
「…もう、すぐそっちのこと考えて」
「大事なことだろ? 俺、夏鈴の隣じゃないともう寝れない身体になったんだから」
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