第1章 父と母

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「俺の事、好き?」 「好きだよ」 「…もっと気持ち込めて言ってくれよ」 「好・き・だ・よ!」  晴馬はちょっと面倒くさいところがある。  たまにだけど、自分のことをうんと好きって言わせたいらしい。大型犬みたいな人だ。  可愛いけど、面倒くさいなって思っちゃう…。 「ドライだなぁ…。なんか、寂しいな、俺」  小言みたいなつぶやき。サラッと聞き流してお茶を淹れた。 「夏鈴ちゃん。お兄ちゃんと遊びましょうよ」 「酔っ払いみたいな絡み方、しないで」 「最近、なんか冷たい時があるよな…。どうしたらいい? 俺、寂しくて死にそうだよ」 「一緒に食器洗ってから、お風呂入ろう」 「お風呂でエッチしてもいい?」 「ダメって言ってもエッチな事するでしょ?」  これが私達夫婦の日常的な会話です…。
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