第3章 夫と妻

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 朝を迎えた。  晴馬がどうしてもっていうからベッドで二人並んで眠っていると、看護師さんが来て苦笑いされてしまった。  付き添い用のベッドも借りれるのに…。  ちょっと恥ずかしい。  血圧と検温と点滴の交換をして、静かに微笑みながら去っていく看護師さん。  お母さんもあんな風にお仕事しているんだなって思ったら、なんだかすごく尊敬する。  晴馬はグッスリと寝息を立てていた。エアバッグのおかげで傷ひとつない顔と身体。鹿さんは死んでしまったけど…。  予想できることとできないことがある。だから、私は自分の能力をあまり公言したくない。 大切な人を守ることもできないのに、偉そうなことを言えないよ…。  晴馬を守ってくれた先祖の人達の力や、晴馬のご両親の愛に心から感謝した。  私達はまだまだこれからだもの。どっちも死んではいけないの。お母さんがお父さんを看取ったのは二十歳になったすぐ後だった。母子で同じ運命を辿るなんて、冗談じゃない。
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