三章 死神工場

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「ほら、怒られたじゃない! あんたの責任よ!」 「薫が大きな声を出すから、梅婆が怒ったんだろ!」 「あんたの方が声は大きいわ……って言うか今、私の事呼び捨てにしたわね! しかも名前で!」 「しょうがないだろ! 中川と中沢じゃ二人揃って居ると呼びにくいし、呼ばれた方も聞き取りずらいんだよ!」 「あっ、それもそうね……」  薫は少し冷静になった。 「だから、名前で良いよな?」 「わかったわ。じゃあ、私も柳原は言いにくいから、歩でいいわね! それにしても、梅婆って……」 「いいだろ? 大蔵が付けたんだ」 「聞かれたらまた怒られるわよ。でも、気に入ったから私も使わせてもらうわ。早く終わらせましょう。梅婆が今度は遅いって、怒鳴りに来るわよ。ゴミ袋は外に出しておいて! 後で天使が回収に来るから!」  薫はそう言って軽く笑うと、作業に戻った。それを見た俺も、草を一束手に取り、ゴミ袋に入れた。
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