三章 死神工場

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 サマーは「うーん」と小さく唸った後、話を続けた。 「しかし、何も知らないのはこちらとしても困ります。今日は特別に、悪魔達が住む下の世界も少しだけお見せしましょう。この先二度と見る事は無いでしょうから、良い経験になると思いますよ」 「え? 私達もですか?」  薫の顔が赤くなっている。どうやら彼女は、興奮するとそうなるらしい。 「もちろんです。怖ければ此処でお待ち頂いても構いませんよ」 「僕は……遠慮しておきます」  大蔵は小声で言うと、立ち止まった。 「何言ってるの? こんな事もう無いわよ! もったいない!」   薫が驚いた様子で、大蔵を見る。 「だって、山ほど居るんだよ? 何かあったらどうするんだよ!」 「それは大丈夫です。扉はほんの少し開くだけですし、門番や私も居ますから」  そうサマーが言っても、大蔵は首を横に振った。 「やっぱり無理です! 少しと言っても大きな扉だし、怖過ぎますよ!」 「情けないわね!」と薫は怒っているが、もしかしたら、とてつもなく危険なのではないだろうか? 「では残念ですが、中川さんはロビーでお待ち下さい。後、荷物は邪魔なので、置いて行って下さいね」  俺と薫は大蔵に荷物を預けてから、サマーと共に階段を降りて、地下へ向かった。
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