三章 死神工場

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「お二人共、どうかしましたか?」 「いえ……あの、もしかして、サマーさんの趣味はサーフィンですか?」    そう、確認をとる薫の顔が、完全に引きつっていた。  信じられない気持ちは理解するが、きっと正解だろう。 「はい。サーフィンは大好きです! 休日は必ず行きますよ」  サーファーの死神……しかも、死神の代名詞でもある、鎌すら持っていないのだろうか? 「あの、サマーさんは鎌を持たないのですか?」 「それはもちろん、持っていますよ。私共のシンボルでもありますからね。ほら!」  サマーがハーフパンツのポケットから取り出したのは、折り畳み式の小さな鎌だった。  昨日、俺達が寮の草取りで使っていた鎌の方がまだ役に立ちそうだ……。 「さて、そろそろ開けますよ」  サマーは鎌をしまい、まあまあ重そうな扉の片側を片手で開けると、俺達を中に入れた。
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