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「お二人共、どうかしましたか?」
「いえ……あの、もしかして、サマーさんの趣味はサーフィンですか?」
そう、確認をとる薫の顔が、完全に引きつっていた。
信じられない気持ちは理解するが、きっと正解だろう。
「はい。サーフィンは大好きです! 休日は必ず行きますよ」
サーファーの死神……しかも、死神の代名詞でもある、鎌すら持っていないのだろうか?
「あの、サマーさんは鎌を持たないのですか?」
「それはもちろん、持っていますよ。私共のシンボルでもありますからね。ほら!」
サマーがハーフパンツのポケットから取り出したのは、折り畳み式の小さな鎌だった。
昨日、俺達が寮の草取りで使っていた鎌の方がまだ役に立ちそうだ……。
「さて、そろそろ開けますよ」
サマーは鎌をしまい、まあまあ重そうな扉の片側を片手で開けると、俺達を中に入れた。
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