三章 死神工場

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 扉の中は更に暗くて、前より広さは無いが、またコンクリート造りの空間だった。  ただ、その奥に有る扉は今度は青く、鉄で出来ているのか、かなり重そうだ。大きさも五メートルは越えていた。  おまけに扉の両隣には西洋風の鎧を身につけた、二メートル越えの大男二人が立っていた。柄が長くて、付いている刃先も鋭い、死神らしい大きな鎌も背負っている――。 「お疲れ様です。サマー副長――準備は整っております」  男達がサマーに向かって敬礼をする。 「えっ? サマーさんって……」  薫がサマーを見つめた。 「はい。言い忘れましたが、私はここの副工場長です。そして彼らは死神の門番です。二十四時間、交代制で扉を守っています」  門番は納得したが、サマーが副工場長とは……人の事を言えた身分では無いが、この会社の人事基準がいまいち解らない。 「では、早速始めましょう。お二人共、これが何か知っていますか?」    サマーが、左側に居る門番のすぐ隣の壁を指差した。  暗くて気が付かなかったが、良く見るとそこには、黒い段ボールが十箱置かれていた。
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