四章 武器庫の罠

4/9
前へ
/159ページ
次へ
「おはよう!」  研修室のドアが、勢い良く開いた。  早川課長がスタスタと歩き、ホワイトボードの前に立つ。その首には何故か、青いエプロンが掛かっていた。 「おはようございます」  俺達はパイプ椅子から立ち上がると、揃って一礼する。 「おお、忘れていた……まあ、座ってくれ。昨日は急遽本社研修が中止になってしまい、すまなかった」  早川課長はエプロンを取ると、教卓に両手を置いた。 「何があったのですか? 教えて下さい」  薫が、一昨日よりも少し強めの口調で要求した。 「そうだな。君達にも何が起きているのか、知ってもらいたいと思う。部長の指示でもあるしな……薄々気付いているかも知れないが、最近人間界で明らかに不穏な動きが出ている……今日の午後から、その件について会議がある予定だ。君達にも参加してもらいたい」  早川課長の真剣な眼差しに、俺は事の重大さを認識した。
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加