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願い通り、エレベーターの扉は三階で開いた。
そこから降りてきたのは……男だ。
背中まで伸びた茶色い髪に切れ長の瞳、長身で細い身体を包むのは、上は白いシャツに薄紫のカーディガン、そして下は膝丈の白いタイトスカートを履いた、男だった。
男は固まっている俺に気が付くとすぐに駆け寄り、上半身を屈めて顔を近づけた。
彼の甘い香水が、鼻にまとわり付く――。
「どなた?」
鋭い視線が、強張っている俺の顔に突き刺さった。
「あっ! あの、今日から此処で働く柳原と言います。ステキ企画の方ですか?」
女装をした鋭い視線の男は、俺に近づけていた顔を離すと、ニッコリと笑った。
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